介護職に就くために重要な初任者研修では、実技演習もしっかり行われます。実際に体を動かし、介助のコツを学ぶ大切な演習です。
ここでは、初任者研修における実技演習の内容や実技試験のポイントなどをまとめました。
介護職員初任者研修は、研修時間が厚生労働省によって定められています。内容は「座学」と「実技演習」という構成です。
合計130時間で、座学が最大40.5時間、実技演習は89.5時間という配分になっています。実技演習の方が長く、苦戦する人が多いようです。
研修内容は、職務の理解から介護の基本、コミュニケーション、老化や認知症、障害の理解、こころとからだのしくみと生活支援技術など。生活支援技術が最も多く時間をとって研修されます。
排せつ介助では、片マヒ状態の対象者をポータブルトイレへ移乗するという演習を実施します。
ベッドで端座位の状態からポータブルトイレの手すりに掴まり、ポータブルトイレの前まで移動しますが、この際、介護者が体をサポートした状態で立ち上がってもらいます。
ズボンを下げ、ポータブルトイレに座ってもらいます。排せつをしている間はひざかけを掛けるなど、排せつしているところを隠してあげるという配慮も自然にできるように演習します。
食事介助では、食事と水分をとる介助を演習します。
食事を介助する際は、メニューを説明してから口に運ぶという流れが重要です。対象者がしっかり噛んで飲み込んでいるかを確認して、次の食事を口に運びます。
水分の介助をする際は、対象者が咳き込まないよう注意が必要です。少しずつ口に運びます。食後の口腔ケアも演習します。口腔ケア用のブラシを使用。
ブラシの水分は少なめにして、声をかけながら口の中をきれいに磨いていきます。
移動や移乗の介助も大切な演習です。
片マヒの状態の方を対象者として、ベッドで端座位の状態から車いすに移動してもらいます。マヒしていない方の手で車椅子に掴まってもらい、介護者は立ちやすい足の位置を確認した後、車椅子へ移乗介助します。
車椅子に座った後は、座り心地の確認も行うことが大切です。歩行時は、マヒがある側に立ち、脇の下を軽く支え、マヒがある側の足からマヒがない側の足の順番で足を運んでもらうよう介助します。
ベッドメイキングの演習では、必要な用品を揃えてベッドを作業しやすい高さに調整したうえで、ベッドメイキングの作業を行います。
ベッドメイクではしわにならないようシーツをしっかりと伸ばすことがポイントです。サイドが三角形になるよう整えます。ベッドでの体位交換も重要な演習です。
ベッドであおむけになった対象者が起き上がりやすくなるよう介助します。対象者の腕を組み、脚を曲げて、横向きにします。足をベッドから出して、肩を支えながら起き上がってもらいます。
更衣の介助演習では、椅子に座り、片マヒの状態の対象者の衣類の着脱を行います。
衣類を着る時は、マヒしている腕から袖を通し、脱ぐときはマヒしていない方の腕から袖を外します。ズボンを下げるときは、座ったままの状態からお尻をずらしながら下げていく方法を訓練します。
ズボンを着せるときも、お尻をずらしてズボンを上げていきます。
入浴の介助で注意すべきことは、溺水とヒートショックです。浴槽に入ったときに体は軽くなり頭は重いままのため、滑るとまっすぐ下に落ち、溺水してしまいます。
浴槽の底に残っている入浴剤に足を滑らせたり、手足についた石鹸の泡で滑ったりすることもあるので注意が必要です。
お湯の温度は38度~41度に設定し、室温との差にも配慮する必要があります。お湯の温度は、対象者の長年の習慣もあるので、コミュニケーションをとることが大切です。
演習の受講後は、実技試験が行われます。排せつ介助や移乗など、体力を使う試験になるため、体力不足を感じている場合は、特に注意が必要です。
対象者が自分より身長が高かったり、体が大きい方だったりした場合も苦労します。介助には、介助者の負担が少ないポイントがあります。
演習でも教えてもらえますが、体力に自信がない方や小柄な方は、特に負担の少ない介助の仕方について、指導・アドバイスを受けておきましょう。
介助中は集中力が重要です。集中力が途切れるとケガや事故につながってしまいます。実技試験を受けるときも、しっかりと集中して介助するようにしてください。
特に注意したいのは歩行や移乗です。歩行や移乗の介助をするときに集中力が欠けると、転倒や転落など、危険な事故につながります。対象者から目を離さず、動きを常に確認しながら介助してください。
もし対象者を転倒・転落させてしまった場合は不合格になる可能性が高いです。
介助をする上で、最も大切なことは声かけです。介助者がどのような行動をするか分からないのは、対象者を不安にさせてしまいます。
必要なタイミングで必要な声かけができるように、対象者の立場に立って演習を受けましょう。体を動かすときや様子を確認するとき、食べ物や飲み物を口に入れるときなど、些細なことでも声かけをおこなってください。また、排せつ介助はデリケートなため、プライバシーに配慮することが大切です。一切声かけをおこなわないと不合格の対象になります。
初任者研修では、座学と実技演習が行われますが、実技演習の時間が多いです。介助のコツを習得していく大切な訓練ですが、苦労することもあるかもしれません。
しっかり集中して、対象者を不安にさせない介助方法を学びましょう。
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参照元(https://www.miraicare.jp/course/beginner.html)
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■未来ケアカレッジ(教室数34)、■三幸福祉カレッジ(教室数63)、 ■ニチイ(教室数400以上)